自筆証書遺言は、自分一人で作成できる最も手軽な遺言書です。ただし民法968条の要件を満たさないと無効になります。本記事では雛形と注意点を解説します。
📚 このテーマを体系的に学ぶ:遺言・終活 完全ガイド
1. 自筆証書遺言の必須要件
- 全文・日付・氏名を自書(パソコン・代筆は無効)
- 押印が必要(認印で可、実印推奨)
- 加除訂正は変更場所を指示し、付記して署名押印
- 財産目録は2019年改正によりパソコン作成可(各ページに署名押印)
2. 雛形テンプレート
遺言書 遺言者 ○○○○ は、本遺言書により次のとおり遺言する。 第1条(財産の特定と承継) 遺言者は、下記の財産を妻 △△△△ に相続させる。 記 1. 不動産:東京都○○区○○1-2-3 宅地150㎡ 2. 預貯金:○○銀行○○支店 普通預金 No.1234567 第2条(その他の財産) 遺言者は、その他一切の財産を長男 ×××× に相続させる。 第3条(遺言執行者の指定) 遺言者は、本遺言の遺言執行者として次の者を指定する。 住所: 東京都○○区○○4-5-6 氏名: □□□□ 第4条(付言事項) 家族へのメッセージ(任意) 令和○年○月○日 住所: 東京都○○区○○1-2-3 氏名: ○○○○ 印
3. 法務局保管制度(推奨)
2020年7月開始の遺言書保管制度を使えば、全国の遺言書保管所で3,900円で原本を保管できます。メリットは:
- 紛失・偽造リスクを回避
- 家庭裁判所の検認手続きが不要
- 遺言者の死亡時に指定通知人へ自動連絡
4. 無効になりやすいパターン
- 日付が「令和○年○月吉日」(特定不可で無効)
- 夫婦連名の遺言(共同遺言の禁止・民法975条)
- 遺留分を無視した極端な配分(遺留分侵害額請求の対象)
- 財産の特定が曖昧(「自宅」だけでは不十分、地番まで記載)
よくある質問
公正証書遺言との違いは何ですか?
公正証書遺言は公証人が作成する公文書で、無効リスクがほぼなく検認不要ですが、費用(数万円〜)と証人2名が必要です。資産規模や紛争リスクに応じて選択します。
動画・録音で遺言を残せますか?
民法上、有効な遺言形式は書面のみです。動画・録音は法的効力を持ちません(付言として家族メッセージを残すのは可)。
遺留分を無視した遺言は有効ですか?
有効ですが、遺留分権利者から遺留分侵害額請求を受ける可能性があります(民法1046条)。請求を回避するには遺留分を考慮した配分が望ましいです。
⚖️ 免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別事案は弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。