法定相続分とは、民法900条で定められた相続人ごとの相続割合のことです。遺言書がない場合、この割合に従って遺産が分けられます。本記事では基本ルールから複雑なケースまで、早見表と図解でわかりやすく解説します。
1. 基本の早見表(民法900条)
| 相続人の組み合わせ | 配偶者 | 他の相続人 |
|---|---|---|
| 配偶者 + 子 | 1/2 | 1/2(人数で按分) |
| 配偶者 + 直系尊属(親) | 2/3 | 1/3(人数で按分) |
| 配偶者 + 兄弟姉妹 | 3/4 | 1/4(人数で按分) |
| 配偶者のみ | 全部 | — |
配偶者は常に相続人になり、第1順位(子)→第2順位(直系尊属)→第3順位(兄弟姉妹)の順で組み合わせが決まります。
2. 計算例:配偶者と子2人のケース
遺産が6,000万円、相続人が配偶者と子2人の場合:
- 配偶者:6,000万円 × 1/2 = 3,000万円
- 子A:6,000万円 × 1/2 × 1/2 = 1,500万円
- 子B:6,000万円 × 1/2 × 1/2 = 1,500万円
3. 代襲相続が発生するケース
相続人が被相続人より先に亡くなっている場合、その子が代わりに相続します(民法887条2項)。これを代襲相続といいます。
- 子の死亡→ 孫が代襲(無限代襲)
- 兄弟姉妹の死亡→ 甥姪が代襲(一代限り)
- 相続放棄者の子は代襲しません(民法939条)
4. 半血兄弟・養子の取り扱い
半血兄弟(親の片方のみ同じ兄弟)の相続分は、全血兄弟の1/2です(民法900条4号但書)。
普通養子は実親・養親の双方から相続できますが、特別養子は実親との親族関係が終了するため養親からのみ相続します(民法817条の9)。
よくある質問
法定相続分は必ず守らないといけませんか?
いいえ、相続人全員が同意すれば、法定相続分とは異なる分割(遺産分割協議)が可能です。法定相続分はあくまで合意できなかった場合の基準です。
内縁の妻に相続権はありますか?
民法上の配偶者ではないため、内縁の妻に法定相続分はありません。生前贈与や遺言書、特別縁故者の制度などで対応が必要です。
胎児に相続権はありますか?
あります。民法886条により、胎児は相続については既に生まれたものとみなされます(死産の場合を除く)。
⚖️ 免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別事案は弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。