借金が多い、相続トラブルを避けたい等の場合、相続放棄で相続人の地位を放棄できます(民法939条)。ただし期限と要件が厳格です。
📚 このテーマを体系的に学ぶ:相続手続き完全ガイド
1. 3ヶ月の熟慮期間
相続放棄は相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります(民法915条)。期間内に判断できない場合は期間伸長の申立てが可能。
2. 手続きの流れ
- 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所を確認
- 申述書・戸籍謄本・住民票除票等を準備
- 収入印紙800円+郵便切手を添付して申述
- 家庭裁判所からの照会書に回答
- 受理通知書が届く
3. 代襲は発生しない
相続放棄者の子は代襲相続しません(民法939条)。これは死亡や欠格による代襲との大きな違いです。次順位の相続人に権利が移ります。
4. 放棄の撤回はできない
家庭裁判所が受理した相続放棄は原則撤回不可です(民法919条)。詐欺・強迫等の例外を除き取消しできないため、慎重な判断が必要。
5. 限定承認という選択肢
プラス財産の範囲でマイナス財産を引き受ける限定承認もあります(民法922条)。ただし相続人全員での申述が必要で、税務上のみなし譲渡課税にも注意。
よくある質問
形見分けを受け取ると放棄できなくなりますか?
経済的価値のある財産を処分・消費すると単純承認とみなされ放棄不可になります(民法921条)。形見分け程度の常識的な範囲なら問題ないとされますが、慎重を期すなら避けるべきです。
全員が放棄したらどうなりますか?
法定相続人全員が放棄すると、最終的に相続財産は国庫に帰属します(民法959条)。ただしその前に相続財産管理人選任の手続きが必要で、申立費用と予納金が必要です。
3ヶ月を過ぎたら絶対に放棄できませんか?
債務を知らなかった等の事情があれば、知った時から3ヶ月以内とする例外運用が判例上認められています(最判昭59.4.27)。専門家への早急な相談を推奨。
⚖️ 免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別事案は弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。