相続ケーススタディ集

20の典型例で「うちはどのケース?」がわかる

配偶者と子の標準ケースから、事業承継・二次相続・国際相続・再婚家庭・おひとりさままで、相続の典型例を20パターン集めました。気になるケースをタップしてください。

CASE 1

配偶者と子2人・遺産8,000万円

CASE 2

配偶者のみ・遺産1億円

CASE 3

子のみ3人・遺産1.5億円

CASE 4

配偶者と親・子なし夫婦・遺産6,000万円

CASE 5

配偶者と兄弟・子なし夫婦・遺産5,000万円

CASE 6

代襲相続・孫が相続・遺産9,000万円

CASE 7

相続放棄で順位変動・遺産3,000万円+借金

CASE 8

半血兄弟が混在・遺産6,000万円

CASE 9

普通養子がいる・遺産1.2億円

CASE 10

特別養子がいる・遺産8,000万円

CASE 11

事業承継・自社株が遺産の大半・遺産3億円

CASE 12

二次相続まで考慮・遺産2億円

CASE 13

小規模宅地等の特例・自宅中心・遺産1億円

CASE 14

生前贈与の活用・遺産1.5億円

CASE 15

国際相続・海外資産あり・遺産2億円

CASE 16

再婚家庭・先妻の子と後妻・遺産1億円

CASE 17

未成年の相続人がいる・遺産7,000万円

CASE 18

認知症の相続人がいる・遺産9,000万円

CASE 19

おひとりさま・相続人不存在・遺産5,000万円

CASE 20

遺留分侵害・全部を1人に・遺産1.2億円

CASE 1:配偶者と子2人・遺産8,000万円

👪 家族構成:夫(被相続人)/妻/長男/長女

💰 遺産:8,000万円(自宅4,000万・預貯金4,000万)

相続人法定相続分取得額の目安
1/24,000万円
長男1/42,000万円
長女1/42,000万円

🧮 相続税:基礎控除4,800万円。課税遺産3,200万円。相続税の総額は約175万円(配偶者控除前)。妻が法定相続分を取得すれば配偶者控除で妻分は非課税、実質負担は子2人分のみ。

💡 ポイント:最も標準的なケース。小規模宅地等の特例を使えば自宅評価が80%減となり、課税遺産が大きく下がる可能性。

CASE 2:配偶者のみ・遺産1億円

👪 家族構成:夫(被相続人)/妻(子なし・親なし・兄弟なし)

💰 遺産:1億円

相続人法定相続分取得額の目安
1/11億円

🧮 相続税:配偶者控除(1.6億円まで非課税)により相続税はゼロ。

💡 ポイント:配偶者がすべて取得。ただし妻の二次相続では相続人が変わるため、その時の相続人(兄弟姉妹や甥姪)を見据えた対策が必要。

CASE 3:子のみ3人・遺産1.5億円

👪 家族構成:母(被相続人・父は既に死亡)/長男/次男/長女

💰 遺産:1.5億円

相続人法定相続分取得額の目安
長男1/35,000万円
次男1/35,000万円
長女1/35,000万円

🧮 相続税:基礎控除4,800万円。課税遺産1億200万円。相続税の総額は約1,440万円。配偶者控除が使えないため負担が大きい。

💡 ポイント:二次相続の典型。一次相続(父)の段階で配分を工夫していれば、トータルの税負担を抑えられた可能性が高い。

CASE 4:配偶者と親・子なし夫婦・遺産6,000万円

👪 家族構成:夫(被相続人)/妻/夫の母(存命)

💰 遺産:6,000万円

相続人法定相続分取得額の目安
2/34,000万円
夫の母1/32,000万円

🧮 相続税:基礎控除4,200万円。課税遺産1,800万円。配偶者控除で妻分は非課税、母の分のみ課税。

💡 ポイント:子がいない場合、第2順位の直系尊属が相続人に。妻と義母の関係が良好でないと分割協議が難航しがち。遺言書推奨。

CASE 5:配偶者と兄弟・子なし夫婦・遺産5,000万円

👪 家族構成:夫(被相続人)/妻/夫の弟(親は既に死亡)

💰 遺産:5,000万円

相続人法定相続分取得額の目安
3/43,750万円
夫の弟1/41,250万円

🧮 相続税:基礎控除4,200万円。課税遺産800万円。配偶者控除で妻分非課税。

💡 ポイント:兄弟姉妹には遺留分がないため、遺言書で「妻に全部」とすれば弟は何も請求できない。子なし夫婦は遺言書が必須。

CASE 6:代襲相続・孫が相続・遺産9,000万円

👪 家族構成:祖父(被相続人)/長男(既に死亡)/長男の子=孫2人/次男

💰 遺産:9,000万円

相続人法定相続分取得額の目安
次男1/24,500万円
孫A(長男代襲)1/42,250万円
孫B(長男代襲)1/42,250万円

🧮 相続税:基礎控除4,800万円(法定相続人3人)。課税遺産4,200万円。孫は代襲相続人のため2割加算の対象外。

💡 ポイント:長男が先に死亡しているため孫が代襲。代襲相続人の孫は2割加算されない(養子の孫とは異なる)。

CASE 7:相続放棄で順位変動・遺産3,000万円+借金

👪 家族構成:父(被相続人)/長男(放棄)/父の弟

💰 遺産:プラス3,000万円・借金5,000万円

相続人法定相続分取得額の目安
(長男が放棄)次順位へ
父の弟放棄しなければ承継

🧮 相続税:債務超過のため長男は相続放棄。放棄により次順位(父の弟)に相続権が移るため、弟も連鎖的に放棄が必要。

💡 ポイント:債務超過時は相続人全員が順次放棄する必要。放棄者の子は代襲しないため、孫に迷惑がかからない点も子の死亡と異なる。

CASE 8:半血兄弟が混在・遺産6,000万円

👪 家族構成:本人(被相続人・配偶者/子/親なし)/全血兄2人/異母弟1人

💰 遺産:6,000万円

相続人法定相続分取得額の目安
全血兄A2/52,400万円
全血兄B2/52,400万円
異母弟1/51,200万円

🧮 相続税:基礎控除4,800万円。課税遺産1,200万円。兄弟相続のため全員2割加算。

💡 ポイント:半血兄弟(異母弟)は全血兄弟の1/2の相続分(民法900条4号但書)。比率は 2:2:1 で按分。

CASE 9:普通養子がいる・遺産1.2億円

👪 家族構成:父(被相続人)/妻/実子1人/養子1人(婿養子)

💰 遺産:1.2億円

相続人法定相続分取得額の目安
1/26,000万円
実子1/43,000万円
養子1/43,000万円

🧮 相続税:基礎控除は実子ありのため養子1人まで算入=法定相続人3人で4,800万円。養子も実子と同じ相続分。

💡 ポイント:普通養子は実親・養親の双方から相続可能。基礎控除の人数算入は実子ありで1人まで(相続税法15条2項)。

CASE 10:特別養子がいる・遺産8,000万円

👪 家族構成:養親(被相続人)/配偶者/特別養子1人(実親との関係終了)

💰 遺産:8,000万円

相続人法定相続分取得額の目安
配偶者1/24,000万円
特別養子1/24,000万円

🧮 相続税:特別養子は実子と同じ扱いで人数制限なし。基礎控除4,200万円(法定相続人2人)。

💡 ポイント:特別養子は実親との親族関係が終了(民法817条の9)。養親からのみ相続し、実親からは相続しない。

CASE 11:事業承継・自社株が遺産の大半・遺産3億円

👪 家族構成:社長(被相続人)/妻/後継者の長男/非後継の次男

💰 遺産:3億円(自社株2億円・自宅5,000万・預貯金5,000万)

相続人法定相続分取得額の目安
1/21.5億円
長男1/47,500万円
次男1/47,500万円

🧮 相続税:基礎控除4,800万円。課税遺産2.52億円。相続税の総額は約3,460万円。自社株の納税資金確保が課題。

💡 ポイント:自社株を後継者の長男に集中させたいが、法定相続分通りだと次男にも分散。遺言+事業承継税制(納税猶予)+次男への代償金(生命保険)で設計。

CASE 12:二次相続まで考慮・遺産2億円

👪 家族構成:夫(一次被相続人)/妻(固有資産5,000万)/子2人

💰 遺産:一次2億円・妻固有5,000万円

相続人法定相続分取得額の目安
一次:妻調整取得割合を最適化
一次:子2人調整残り

🧮 相続税:配偶者100%取得:一次0+二次約6,930万円。配偶者50%取得:合計約3,190万円。配偶者0%:合計約3,170万円。

💡 ポイント:配偶者控除をフル活用(100%取得)すると二次相続で大増税。配偶者取得を30〜50%に抑えるのが税額最小化の目安。

CASE 13:小規模宅地等の特例・自宅中心・遺産1億円

👪 家族構成:父(被相続人)/同居の長男(家なき子でなく同居親族)

💰 遺産:1億円(自宅土地8,000万円330㎡・預貯金2,000万円)

相続人法定相続分取得額の目安
長男1/11億円(特例適用後は評価減)

🧮 相続税:小規模宅地等の特例で自宅土地が80%減=8,000万→1,600万円。課税遺産は1億→3,600万円相当に圧縮。基礎控除3,600万円とほぼ相殺し相続税ほぼゼロ。

💡 ポイント:同居親族が自宅を相続し申告期限まで居住継続すれば特例適用。評価減効果は数千万円規模。

CASE 14:生前贈与の活用・遺産1.5億円

👪 家族構成:父(被相続人)/子2人・孫4人(生前に暦年贈与を実施)

💰 遺産:贈与前1.5億円→10年で6,600万円贈与済み

相続人法定相続分取得額の目安
子・孫生前に分散済み

🧮 相続税:子2人・孫4人に毎年110万円×10年=6,600万円を非課税移転。相続財産が8,400万円に圧縮され、相続税が大幅減。

💡 ポイント:暦年贈与は2024年改正で7年持戻し。孫(相続人でない)への贈与は持戻し対象外で特に有効。早期着手が鍵。

CASE 15:国際相続・海外資産あり・遺産2億円

👪 家族構成:父(被相続人・日本居住)/海外在住の長男/国内の次男

💰 遺産:国内1.5億円・海外不動産5,000万円

相続人法定相続分取得額の目安
長男(海外)1/21億円
次男(国内)1/21億円

🧮 相続税:全世界財産が課税対象(10年ルール)。海外不動産も日本の相続税対象。海外で課税されれば外国税額控除で調整。

💡 ポイント:海外在住の長男は印鑑証明が取れずサイン証明が必要。海外不動産は現地のプロベイト手続きも。専門家連携が必須。

CASE 16:再婚家庭・先妻の子と後妻・遺産1億円

👪 家族構成:父(被相続人)/後妻/先妻との子1人/後妻との子1人

💰 遺産:1億円

相続人法定相続分取得額の目安
後妻1/25,000万円
先妻の子1/42,500万円
後妻の子1/42,500万円

🧮 相続税:基礎控除4,800万円。課税遺産5,200万円。先妻の子も後妻の子も同じ相続分。

💡 ポイント:先妻の子と後妻は感情的に対立しやすい。遺言書で配分を明確にし、付言事項で意図を伝えることがトラブル予防に。

CASE 17:未成年の相続人がいる・遺産7,000万円

👪 家族構成:母(被相続人)/父(親権者)/未成年の子

💰 遺産:7,000万円

相続人法定相続分取得額の目安
1/23,500万円
未成年の子1/23,500万円

🧮 相続税:基礎控除4,200万円。課税遺産2,800万円。配偶者控除で父の分は非課税。

💡 ポイント:親権者の父と未成年の子が共に相続人だと利益相反。家庭裁判所で特別代理人の選任が必要(民法826条)。

CASE 18:認知症の相続人がいる・遺産9,000万円

👪 家族構成:父(被相続人)/認知症の妻/子2人

💰 遺産:9,000万円

相続人法定相続分取得額の目安
妻(認知症)1/24,500万円
子A1/42,250万円
子B1/42,250万円

🧮 相続税:基礎控除4,800万円。課税遺産4,200万円。配偶者控除で妻分非課税。

💡 ポイント:認知症の妻は遺産分割協議ができないため、成年後見人の選任が必要。後見人は妻の法定相続分を確保する義務があり、二次相続対策の柔軟な配分が難しくなる。生前の対策が重要。

CASE 19:おひとりさま・相続人不存在・遺産5,000万円

👪 家族構成:本人(被相続人・配偶者/子/親/兄弟すべてなし)

💰 遺産:5,000万円

相続人法定相続分取得額の目安
法定相続人なし特別縁故者・国庫へ

🧮 相続税:相続人不存在。相続財産管理人を選任し、特別縁故者がいればその者へ、いなければ最終的に国庫帰属。

💡 ポイント:おひとりさまは遺言書がないと財産が国庫に。お世話になった人・団体へ遺贈したいなら遺言書が絶対必要。

CASE 20:遺留分侵害・全部を1人に・遺産1.2億円

👪 家族構成:父(被相続人)/長男(全部相続の遺言)/次男(遺留分請求)

💰 遺産:1.2億円

相続人法定相続分取得額の目安
長男(遺言)全部1.2億円
次男(遺留分)1/43,000万円を請求可

🧮 相続税:遺言で長男に全部相続させても、次男は遺留分(法定相続分1/2の半分=1/4)として3,000万円を金銭請求できる。

💡 ポイント:「長男に全部」の遺言でも次男の遺留分は侵害できない。遺留分侵害額請求(民法1046条)は金銭請求。時効1年に注意。

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